YUMI'S ALLEY

ギラ・ジルカ『all Me』
リリース・ライヴ・サーキット



2010年10月25日
@目黒ブルース・アレイ・ジャパン
主催 JUMP WORLD/SUPERBOY

photo & text:望月由美

ギラ・ジルカ(vo)
竹中俊二(g)
木幅光邦(tp)
クリス・シルバースタイン(b)
岡部洋一(per)
ゲスト:矢幅歩(vo)

ギラ・ジルカat目黒ブルース・アレイ・ジャパン

 スーパーボーイが主宰するレーベルJump Worldよりリリースされたギラ・ジルカのファースト・ソロ・アルバム『all Me』(DDCZ-1705)の発売を記念してのリリース・ライヴ・サーキットの初日、目黒ブルース・アレイ・ジャパンでのライヴ。このところなぜか女性ヴォーカリストが輝いている。『SONGS』(VACV-1052)をリリースした北浪良佳のヴォーカル・ユニット・コンサートやニュー・アルバム『ルビー&サファイア』(VRCL-18849)をリリースしたテイファニー等々の歌声に魅了される。なかでもギラ・ジルカは初ライヴ体験と云うこともあって新鮮な印象が強く残っている。ギラ・ジルカはDJ、MCの分野ではキャリアもながく人気のあるパーソナリティーと聞いていたが、ヴォーカルも今回のCDが初リリースとは信じられないくらい説得力があり、自分の世界を持っているのである。ギラ・ジルカの魅力はその歌声だけでなくどっしりと腰が据わった貫禄、陽気であたたかい雰囲気でステージと客席をひとつにしてしまう包容力を持っていることである。曲の持つ味わいを大切にしながら、さらにそこに自分のテイストをのせるのが上手だ。このさじ加減がなんともいえないグルーヴを生み出しているのである。<ナイト・アンド・デイ><ハニーサックル・ローズ>などのスタンダードから<イパネマの娘>などのボサノヴァ、さらにはエリントンの<アイ・ガット・イット・バッド・アンド・ザット・エイント・グッド>を巧みな話術を交えながら自然体で唄う。彼女にはステージをドラマティックに構成する才能があるようだ。



ギラ・ジルカ        クリス・シルバースタイン

 イスラエル人の父と日本人の母を持ち、神戸で生まれ育ち、バークリー音楽大学で音楽を学ぶというワイド・レンジな経験が特性となって生かされているように感じた。ギラという名前の由来となったイスラエルの<ハバナギラ>まで歌う。因みにギラというのはイスラエル語で自由を意味するのだそうだが彼女のステージでの振舞いも文字通り自由だ。しかしその歌声はジャズそのものを聴くものに伝えてくれる。コール・ポーターからファッツ・ウォーラーまでを実にあっけらかんとのびのびと唄う。そしてそのどれもがギラ・ジルカのスタイルに昇華されている。とても新人とはいえないニュー・シンガーの誕生である。


矢幅歩               ギラ・ジルカ

 ゲストで加わって数曲唄った矢幅歩(vo)もギラ・ジルカと合い通じるフレイヴァーの持ち主で、サンバのリズムに乗せて唄う<マイ・フェイヴァリット・シングス>での二人のコンビネーションは、なかなか洒落ていて格好よかった。

望月由美

望月由美:FM番組の企画・構成・DJと並行し1988年までスイングジャーナル誌、ジャズ・ワールド誌などにレギュラー執筆。 フォトグラファー、音楽プロデューサー。自己のレーベル「Yumi's Alley」主宰。『渋谷 毅/エッセンシャル・エリントン』でSJ誌のジャズ・ディスク大賞<日本ジャズ賞>受賞。

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NEW5.06 '13

FIVE by FIVE
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COLUMN
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