
少し遅れたが、去る5月24日に行われた“サン・ラ=アーケストラ”によるマーシャル・アレン(1958年入団)の85歳誕生日を祝ったコンサートを紹介したい。「一度は、見ておかないと」程度の軽い気持ちで出かけたのだが、期待以上に満足させてくれた“楽しい”コンサートだった。
アレンは、サン・ラが、1993年に「宇宙に帰った」後を引き継いだジョン・ギルモアが他界した1995年よりアーケストラのディレクターを務めて現在に至っている。
コンサートが行われた“Johnny Brenda's”(www.johnnybrendas.com)は、ジャズというよりロック・クラブで、彼らの本拠地フィラデルフィアにある。勝手に黒人中心の客層を想像していたが、実際は八割強が白人だった。年齢層は、大学生ぐらいから中高年まで、幅広かった。
$2でオーダーした、味の薄い地ビールを飲みながら待っていると、ギッシリと楽器が並べられた余り大きくないステージに、続々とメンバーが登場。現アーケストラのラインアップは流動的な様であるが、このコンサートは以下のメンバーで行われた:
Marshall Allen - alto sax, flute, Electronic Valve Instrument (EVI)
Yah Yah Abdul-Majid - tenor sax
Knoel Scott - alto sax
Danny Ray Thompson - baritone sax
Fred Adams − trumpet
Michael Ray − trumpet
Cecil Brooks - trumpet
Dave Davis - trombone, french horn, tuba
Farid Barron − keyboard
Dave Hotep − guitar
Juini Booth - electric bass
Bill Davis - acoustic bass
Wayne A. Smith, Jr. - drums
Lamont Smith - conga drum
Elson Nascimento - surdo drum
今では「伝説」となっている1988年日本初公演以降に参加したメンバーに混じって、ビル・デイビス(1962年入団)、ダニー・トンプソン(1967年入団)、ジュイニ・ブース(1967年入団)等のベテラン勢も健在だ。
マネージャーのグレッグ・ドゥラスドウ氏のご好意により以下のセット・リストを入手する事ができた:
第1セット
Take Off
Planet Earth
Dreams Come True
Prelude to a Kiss
Discipline 27-II
Sometimes I'm Happy
East of the Sun, West of the Moon
Millennium
Space Walk
Angels & Demons at Play
第2セット
Improv Opening
In-B-Tween
Body & Soul
Way Down Yonder in New Orleans
Love in Outer Space
Blue Set (with Happy Birthday to Marshall)
Reflex Motion
When You Wish Upon a Star
Interplanetary Music
Fate in a Pleasant Mood
We Travel the Spaceways
一般的なアーケストラのイメージに近いノイジーな前衛系やファンキーなスペース・ジャズの他、スインギーなスタンダード、シットリとしたバラードがバランス良く配列され飽きさせなかった。しかし、選曲の面白さ以上にバンドの“イキ”の良さが印象に残った。そして、マーシャル・アレンの統率力や「本当に85歳?」と疑ってしまうほどの“ミズミズしい”演奏やステージングも素晴らしかった。
サン・ラ以降のアーケストラについて全く勉強不足だったのだが、アレンのディレクションの下『A Song For The Sun』(El Ra Records:1999年作品)、『Music For The 21st Century』(El Ra Records:2003年作品)、『Live At The Paradox 』(In & Out:2008年作品)の3作品が発売されている。興味のある方は、サン・ラ=アーケストラのオフィシャル・サイト(www.thesunraarkestra.com)を通じて購入できる。JT