Live Report#439

JapzItaly〜Jazz Aid for Japanese Children
2012年5月27日 @Centro Congressi Corridoni, Milano
Reported by エットーレ・ガルシア (Percorsi Musicali)
Photos by 米田泰久 (Yasuhisa Yoneda)

渡辺貞夫 (as)
タイガー・大越 (tp,flgh)
小野塚 晃(p)
ルカ・ピッサヴィーニ (b)
トマーゾ・カッペラート (ds)

G2us(高谷秀司g+マサ大家g)
石塚まみ (p, vo)
大由鬼山(尺八)
ルカ・ピッサヴィーニ (b)
トマーゾ・カッペラート (ds)

行徳哲男(書)
坂田 明 (as)
大由鬼山(尺八)
ロベルト・ゾルジ(g)

私自身がミラノで直接見聞できたのは最終日(3日目)だけだったが、初日、2日目に出掛けた聴衆の印象はとても良かったようである。会場のコリドーニはコンヴェンション・センターで、当夜の聴衆には大き過ぎたようだ。はたしてそれなりの義援金は募集できたのだろうか、気になるほどである。それにしても告知があまりにも遅過ぎた。
最終日の主役を張ったのは日本人たちである。幕開けはサックス奏者の渡辺貞夫のクインテットで、タイガー大越(tp)と小野塚 晃 (p) の日本人組に ルカ・ピッサヴィーニ (b)とクリスチアーノ・ヴァイラチ (ds) のイタリア人リズム隊が加わった。このセットは渡辺と大越の2ホーンのやりとりが素晴らしく、とくにジュゼッペ・ヴェルディの「行け、わが思いよ、黄金の翼にのって」は聴きものだった。
私の興味を引いたのはセカンド・ショウで、高谷秀司とマサ大家という私には未知のギタリストたちにピアノの石塚まみ(素晴らしいヴォーカリストでもある)と尺八の名手・大由鬼山に、イタリア人のリズム隊、ルカ・ピッサヴィーニ(b) とトマーゾ・カッペラート(ds) が加わったアンサンブルだった(ちなみに、このイタリア人たちはさらなる精進が必要である)。このアンサンブルをリードしたのは高谷で(好人物と見受けた)、日本人向けの風刺に満ちたステージングを身に付けており(なかには万国共通のものもあったが)、言わば“ジャパニーズ・サイケデリック・ジャム”とでもいうべき内容で、私自身ステージを共有したい誘惑に駆られたのだった。ふたりのギタリストは自然なハーモニーを醸しながら、大由(疲れ知らずの男)と石塚(極上のピアノ・サウンドの持ち主)ともうまく絡み、アンサンブルとして日本の伝統を巧みに表出していた(察するところ、大和魂とマーシャル・アーツを合体させていたのではなかったか)。
トリは、坂田 明、ロベルト・ゾルジ、大由鬼山に書家の行徳哲男が加わり、行徳は自身の書の謂われについて語るところから始めた。坂田はフリー系の傑出したサックスの遣い手で、完全に無調なアヴァンガルドの世界を展開、大由の尺八は力に満ち満ち、一方でゾルジのギターはどこかデレク・ベイリーの世界に通じるという趣き。知らず知らずのうちに彼らの世界に引き込まれている自分がいた。唯一、惜しむらくは、行徳師の適切な翻訳が欠けていたことで(ステージではたしかにイタリア語の通訳嬢がいたが、内容を充分理解していないように見受けられた)、また、演奏中にホールの照明がスイッチングされたのは興ざめであった。  



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