Jazz and Far Beyond
彼の非常に特別な感覚の深みと精密さ、バンド全体のサウンドに奉仕する決意
『My Song』でのパレの演奏は、色々な事をしているにも関わらず、何故か耳にはシンプルに聞こえます。全ての音が正解になっています。本当に不思議です。
パレ・ダニエルソンほど剛柔を兼ね備え様々なミュージシャン、アンサンブルに溶け込むベーシストは稀有な存在だ。
忘れもしない5月18日「池袋ジャズ」終演後の居酒屋で、ベーシスト甲斐正樹にパレがいかに素晴らしいか熱弁をふるった。パレがその日に亡くなったことを翌日知った。
パレというプレイヤーは語弊を恐れずに言うと、楽器を「弾かない」。ベースを弾き過ぎない、のではなくその場の音楽に必要とされる音以外を全く弾かないのだと自分は考える。
芯のある太い音が素晴らしく、ソロの歌い方も大好きでした。速弾きもやらないけど、確かなテクニックを持ち、バランス感覚が本当に素晴らしいベーシストでした。
揺るぎない独自のサウンドが実に心地よく、愛に溢れた来日コンサートだった。これが僕が音楽に向かう確信となり、それだけでパレは僕にとってヒーローであり続ける。
パレがパレである特筆すべきところはコントラバスの音色。パレの奏でる美しく個性的な音色が忘れられない。
パレ自身の名は知られなくても、ヨーロッパジャズ、という演奏スタイルを作り上げてしまったほどの影響力は今後も失われることはないでしょう。
スカンジナヴィア半島から来た屈強で優しい男。キース・ジャレット”ヨーロピアン・カルテット”を支えた北欧三人衆の一人パレ・ダニエルソン。彼の音楽はバンドの要となる”強靭なる足腰”だったのだ。
パレのベースサウンドとグルーヴは特徴的で、ほぼ一聴してパレだと分かる。強靭でありながら柔軟かつウォームで、優しい人柄が見え隠れする。
これだけの職人技を持っていて、バンドを後から支えプッシュする演奏はベーシストとしてある意味理想である。
数々の名盤での演奏を通して彼のあたたかく懐深いベースが、ピアノやドラムとの会話や距離、音楽の物語を進めるには、ということを私に教えてくれた。
Keith Jarrettのヨーロピアンカルテットなど、その高い芸術性をもって数々の名盤を支えたスウェーデン出身のベーシスト、Palle Danielsson。繊細で豊かな表現力、時にソウルフルでアバンギャルドなプレイ、その存在感はどのアルバムを聴いても絶大だ。