Jazz and Far Beyond
音響体験としても面白いコンサートだった。何よりも齢を重ねても好奇心旺盛なテリー・ライリーのチャーミングさとその創造意欲に感銘を受けた。
ドラムの前に身を投げ出して、腹這いになったまま全身で抑えた
アメリカ音楽界の歴史を塗り変えたスライ・ストーンとブライアン・ウイルソンがほぼ同時に亡くなってしまった。散々迷った挙句、今回はスライを取り上げることにした。その理由は、現在のアメリカの状態がスライの功績を危機に晒しているからだ。
今田勝さんとの仕事の詳細は、「ある音楽プロデューサーの軌跡 #44」に記した。
巡る季節を進むLAL。連載通算500本を射程に収めつつ我が身に起きた骨折入院を経て未だリハビリ生活の中、今月号では手術前後の弥生初旬から水無月初旬にスロー・ペースで巡った充実の現場6本をご紹介。
ドラムセットを否定しバラバラに解体することから始めたボクの即興演奏は、こうして革の響きのする50年代のヴィンテージドラムへとたどりついた。
順徳院の辞世とベートーヴェンの旋律がチェンの演奏により共鳴し切々とした悲愴感に包まれる。
文学と即物主義の電子音的邂逅。だが、彼には録音よりも過程が重要だった。
オンガクカは文学者同様、確信犯としてこの世でふるまっている。
ゴールも近道もなく、ただ道があるだけだということを思い出させてくれてありがとう。
激しく斬り込む愛好家・村上春樹、誠実に受けてたつ演奏家・小澤征爾のまれにみる手に汗握る対談集。
マックス・ローチ生誕100周年に因んだ代表作『We Insists』のテリ・リン・キャリントンによる渾身の蘇生。
本作品に聴かれる守屋純子オーケストラの創造するストレートアヘッドなジャズ・スピリットには脱帽するばかり。
新しい次のステップへの予感がきこえてきそうな期待に満ちた新作だ。
ディノ・サルーシのバンドネオンが奏でるメロディーは、どこまでも優しく、心地よく響く。何度も繰り返し聴きたくなる、心に残る一枚。
伸びやかで覇気にも満ち、快調にフレーズを疾駆させていく、そのアグレッシブで真摯な有り様...
70歳を超えてもなお、ストイックに挑戦を続けて自分を磨き続けるパット・メセニー。2025年のソロ・コンサートは、2024年をはるかに上回る驚異的なクオリティだった。
シカゴのフリージャズ・シーンにおける活動が長いタツ青木だが、このところ帰国して東京での演奏を行う機会が増えてきた。今般の再来日で組まれたギグ、さらに先行する形での舟遊び。
エリック・ミヤシロの呼びかけで結成されたトランペット奏者4人からなる新ユニット「4TRP. Legends」は、世界中の人にレジェンド達の魅力とトランペットの魅力と無限の可能性を伝えていくことだろう。
奇しくも現実のコンクラーベが後を追うことになった珠玉のミステリー映画。映像美と研ぎ澄まされた音響に惹かれるが、主人公ローレンス枢機卿の苦悩と葛藤に「バシェの音響彫刻」の一種を、緊張感の表現に弦楽器のスタッカートの旋律を多用しているのが印象的だ。
オーディオ装置をCD1枚分ぐらい、鳴らしてエージングしてから聴いてほしいと思う
ハードコア・ドラマーのウィーゼル・ウォルター。異質で唯一無二の個性をもつメキシコのサックス奏者マーティン・エスカランテ。ペルーのエクスペリメンタル・シーンを作り上げてきたベーシスト/ギタリスト、テテ・レギア。北米から中南米、さらに世界を旅するかれらに、現在進行形のインプロヴィゼーションやエクスペリメンタルの状況について話を聞いた。
香村かをりは即興演奏をすることで渇望を鎮めているという。だから、彼女は自分自身のことをミュージシャンだとは思っていない。