Jazz and Far Beyond
9月1日付でドイツのジャズ界に貢献した音楽家に贈られるアルバート・マンゲルスドルフ賞の受賞者が発表された。今回の受賞者はローレン・ニュートン。
この時、彼の生音でのピアノに接することができたファンは極上の体験をしたはずだ。
現在の日本ブームの以前から、ジャズの巨匠たちはそれよりもはるかに深いものをすでに見出していた。
ブルーノート社長、ドン・ウォズ率いるパン・デトロイト・アンサンブルが来日と同時にデビューアルバム、『Groove In The Face Of Adversity (逆境でグルーヴする)』を発表する。ドンが提示するデトロイトの音楽や、カバー曲を演奏してもユニークなサウンドになるこのバンドの解説を試みた。
巡る季節を進むLAL。灼熱無風もなんのその、今日も繰り出す独り旅。
今月号では葉月初旬から中旬に巡った充実の現場6本をご紹介。
「Return to Street Level」から始まったニューヨーク3部作は完結して、ボクらは新しいユニットへと活動を進めていく。
オト・コトバ・ウタのラグランジュ・ポイントは?私はあり得ないかもしれない一般解を探している。
83の中小レーベルから1291枚のアルバムを選択、934枚に試聴用のSpotifyのQRコードを付したガイドブック。
モダンジャズの屋台骨を支えるのはビバップ期の昔も21世紀の今もベースだ。
ポーランド新世代ジャズを担う4人組、Błoto(ブウォト)の新作を分析し、この斬新なバンドと、その母体である音楽家集団、EABS(エアブス)を詳しく紹介。
富樫の優美なメロディに頼ることなくその世界を広げ、深く掘り下げた座右の1枚としたい秀作。
坂田学や大森菜々が藪をものすごい勢いで刈ったあとに招き入れる「なにものか」とは、坂田明なのかもしれない。
レジェンド級の演者たちによるソロを参照してもなお、デイヴ・モスの本アルバムは個性的に聴こえる。まるで虹のようなサウンドだ。
ジャズ、クラシックからJ-Popまで幅広く活躍する塩谷 哲の初のオーケストラ作品集。小曽根真&塩谷哲デュオのために書かれた「交響定的エレジー」から拡張した<Elegy for Piano and Orchestra>、ソロピアノ曲からの<Preciousness>を収録している。
2016年ヨーロッパ5都市ツアーから7月9日ウィーン楽友協会での録音。抽象的にも感じる音響的美しさの追求、心暖まる美しいメロディとハーモニー、グルーヴが絶妙に溶け合う珠玉のピアノソロで、巨匠画家の個展を楽しむような時間。2016年ツアーの中でも特にお勧めしたい。
テリ・リン・キャリントンが歌手のクリスティ・ダシールと組んでリリースしたアルバム『We Insist 2025!』は、マックス・ローチが1960年にリリースした『We Insist!』へのトリビュート作品。しかし本人がMCで話したように現代の視線により「reimagine」された音楽であり、驚くほど鮮烈だ。
NYCマーカス・ガーベイ公園で開かれたチャーリー・パーカー・ジャズ・フェスティバルのリポート。
このトリオの結成初期から聴き続けてきたファンを、彼らはBlue Note Placeに連れてきたのである。そして彼らは、そんなプレッシャーを包み込むような高揚感に転化し、すばらしい演奏を聴かせてくれた。
ショーロクラブをはじめ幅広い活動で既視感のない音を追求する鬼才 沢田穣治。沢田を敬愛する立命館大学教授にしてピアニストの神子直之。ECMリスペクトを共有する2人の初共演が、両者のオリジナルにケニー・ホイーラーの名曲を交えて実現した。
幅広いリスナーを対象とした手軽なオーディオでも楽しくノリで聴けるように音作りしたアルバム。
打楽器奏者の宮坂遼太郎のおもしろさは、演奏技術の追求ではなく、ヒエラルキーの無効化や独特の立ち位置の追求からきている。
単なるドキュメンタリーを超えた感動的な音楽映画。波乱に飛んだ天才ミシェル・ルグランのキャリアの全貌。
『超ジャズ 杉田誠一著作・写真集』刊行を記念した2日間にわたるライヴと写真展