Jazz and Far Beyond

現場を知るフォト・ジャーナリストが遺した本だけに、60年代終わりから70年代半ばにかけての日本におけるジャズ、とりわけフリージャズとその受容を時代の文脈から読み解くには貴重な本だ。
どれほど厳しいことがあったとしても、彼は私の人生において、個人的にも音楽的にも、かけがえのない存在だった
アンソニー・ジャクソンの参加作品を超個人的な視点で10点選んでみた
大阪の「インタープレイ8」で聴いた山下洋輔トリオが人生初めてのジャズ・ライブ体験だった。
映画『ケルン’75』は、あの歴史的な演奏を生み出した“闘い”が、演奏者ひとりのものではなかったことを静かに伝えている。
あの、3枚のみのアルバムで黒人音楽の歴史を塗り替えたディアンジェロが51歳の若さで他界してしまった。なぜ彼の音楽がこれほどまで歴史に跡を残したのかの解説を試みた。
設立後10年、どうやら「AACM」は着実に、だが確実に成果をあげつつあるようだ。
巡る季節を進むLAL。6年ちょっとで500本。これまでのお付き合いに感謝しつつ今月号では長月下旬から神無月初旬に巡った充実の現場6本をご紹介。
それまで「何かをしない」ことをしていることに気づいたボクは、このCDで絶妙なドラミングを披露している。
それが「魂の喜び=SPIRITS REJOICE」なのか?はたまた現世からの救済なのか。浄土なのか。それがニュージャズ・シンジケートという宗派なのか?
“反バロック的・反ロマン的な和文化的な価値観” についてプログラムに書かれた近藤氏の受賞の言葉と共につらつらと考えたことをここに記したい。
Slash Trioは史上初めて「ロック・ピアノ」を本当に成功させたグループだと思う。
錆びついた耳を活性化させ、なんども聴いたはずのアルバムから新たな音を見出すことは歓び以外のなにものでもない。本書がすぐれた評伝であることの証左だ。
繰り返し演奏された曲をどう変貌させていくか、より高く純粋な表現をすることができるか、John Taylorが取り組んだ素敵な記録
ケニー・ホイーラーやノーマ・ウィンストンと共同作業も多く、多くのECM作品に参加して来たイギリスのピアニスト、ジョン・テイラーの遅すぎた初ECMリーダー作『Rosslyn』。その直前のイギリスでのライヴ録音盤が22年後にリリースされ、スタジオ盤と遜色のない美しい世界を魅せる。
中低音を主体に中低速の演奏が並ぶ6曲には、じわじわと感動が聴き手へと浸み込んでいく
トランペットのライジングスター、鈴木雄太郎が放つ海外録音によるデビュー・アルバム
カンザスシティーから巣立った俊才トランペッター、ハーモン・メハリの2枚目になるデュオ作品『ソウル・ソング』
ロック、プログレ、パンク、フォーク、ノイズ、即興ジャズ、電子音楽、ワールドミュージックに亘る膨大な音楽の記憶がオマージュのように隠されている
ファーストコール・トランペッターであり、「ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ」の音楽監督を務め、世界で活躍するエリック・ミヤシロが15年ぶりにリリースしたリーダーアルバム。”聴く人を笑顔にする”快作ができあがった。
謝明諺カルテット台湾公演に見る日本のフリージャズ・ミュージシャンとの世代を超えた共演と交流。
現代作品においては、ギターが有するポテンシャルを、現代奏法を用いるなどしてどこまで高められるか。
音楽フェスティバル「Miło mi(ミヲミ)~サウンド・カルチャー:ポーランド×日本」は大阪で開催された国際交流企画。関西万博で海外文化への関心が急上昇した大阪の「なんばひろば」で賑やかなコンサートが続いた。
ロサンジェルス在住のピアニスト、ジョシュ・ネルソンのThe Discovery Project、2025年ヴァージョンでは、新加入ベーシストをフィーチャーし、東京と関西でツアーを行った。
ベース奏者ヴィニシウス・カジャードが初来日した。そのうち、立ち会うことができた東京での2夜について報告する。
<夜空ノムコウ>で知られるシンガーソングライター川村結花が30周年を記念してオールタイム・ベスト盤『Melody Maker』がリリース。メンバーの温かい想いと楽しさに溢れたバンドライヴが行われた。
オーディオ的音楽性・音の美はむしろ静寂や副次的な響きなどの間接音が大きく貢献して作られる。
ポーランド最高権威の音楽賞であるFRYDERYK賞を3回受賞しているピアニスト、アガ・デルラクが語る最新作『Neurodivergent』への想い
長野の山の中で即興演奏をするなどユニークな取組を続ける柳沢耕吉だが、ここに至るまでの道のりはまっすぐではない。日本とニューヨークで得たものをいったん横に置いて、あらためて即興とは何なのかと問い直しているようだ。